インチキ記事満載の週刊ゴシップ誌「ギャラクシー」に務めることになった新米記者のサラは入社初日出勤する途中で他殺死体を発見する。早速のスクープを報告するサラに上司のジャックは冷たく言い放つ。「その男はどの番組のレギュラーなのか」。
低俗ジャーナリズムの仕事にだんだん夢中になるサラの目標は有名TV俳優の極秘結婚式。そしてカリスマ・カントリー歌手のデスマスク!
嘘八百、スパイ行為も何のその、騙し、買収、誘惑。あらゆる手でスクープをものにするのだ! しかし一方で目撃した殺人事件も不気味にサラの身に迫ってきて、、、。
世間から馬鹿にされているゴシップ誌編集部を舞台にしたブラック・コメディですが、ウエストレイクらしく軽妙で決してどぎつくはありません。
読みどころはあの手この手でスターのプライバシーをあばこうとする「ギャラクシー」とそれを防御するスター側のやり取りで、特にプライバシーを断固として守ろうとする高級ホテルとか人材派遣会社ガードぶりが半端じゃないところが笑わせてくれます。そして「ギャラクシー」社の個性的な人間とその人間関係もなかなかです。
主人公がちまちま低俗ジャーナリズムに悩むのじゃなく、すぐに順応してすご腕になっていくのは気持ち良いほどですが、一方上司のジャックの屈折ぶりがイマイチ魅力に欠ける気がします。殺人事件がとってつけたかのようになってしまっているのも残念です。
アイデアはとっても面白いと思うし、気の利いた会話も満載なんですがね。