"We need the O.J. to do a meeting!"
故買屋のアーニーはカリブ海の小島のクラブ・メッドで「治療」を受けていた。彼があまりにも嫌な奴だからましな人間に変われと家族が送り出したのだった。そしてそのクラブ・メッドではナンパ三昧の鼻持ちならない気障で大金持ちのプレストンに馬鹿にされていた。
ニューヨークに戻ったアーニーはドートマンダーに五番街のビルのペントハウスにあるプレストン邸に山とあるお宝強奪を持ち掛けた。プレストンは重婚罪で合衆国には戻れない身なので、そこは誰も住んでいない。それがアーニーのリベンジなのだ。
早速いつものようにOJ バー&グリルに集合したドートマンダー一派だったが、OJは怪しい男たちが仕切っていて使えなくなっていた!
一体OJに何があったのか、ドートマンダーは調べ始める。ドートマンダーたちはOJを取り戻すことはできるのか、そしてプレストンへのアーニーのリベンジは果たして成功するのだろうか?
今回から新たにドートマンダー一派に「キッド」ことジャドスン・プリントが加わります。若干19歳、J.C.タイラーの探偵通信教育卒業生です。結構エピソードにボリュームが割かれていますが活躍度は物足りません。同じく嫌味な金持ちプレストンもドートマンダーに代わり色々な悲惨な目に合うことになります。でもやっぱりドートマンダーじゃないと面白さも半減です。
お笑い要素はアーニーとプレストンが代行していて、このニューヨーカー二人のリゾート・ライフが注目。あと、タイニーの武勇伝が久しぶりに炸裂するのが楽しかったです。
ストーリーの中心となるOJの話はドートマンダーもののファンには興味深いもの(OJの由来も判明!)でしょうが、これが初めてのドートマンダー体験の人にはどうでしょうか。内輪受け過ぎるかも。もちろん私は楽しみましたが。
ただ、メインの盗難がありふれたものでドートマンダーならではの圧倒的アイデアという感じがしませんでした。
そして失敗しないドートマンダーというのもどうも居心地悪いもので。