3:41 PM

Red Rocks Amphitheatre

Red Rocks Amphitheaterという全米屈指の野外劇場がコロラド州デンバー郊外にある。その名の通りロッキー・マウンテンの巨大な赤い奇岩に囲まれたすり鉢状の絶景劇場。アメリカ音楽好きにとっては聖地と言っても言い過ぎではない存在でさえある。

ひっそりとジョン・デンバーの銅像が立っていたりする。そう、私はここに来たいがためにデンバーにやってきたのである。

ジョン・デンバーの銅像

ジョン・デンバーの銅像

その日は60オーバーだけどいかした曲を書き、しゃがれた声で渋い人生を歌う遅咲き通好みの「ルシンダ・ウィリアムズ」が演奏する。しかしルシンダは前座でメインは地元デンバー出身の「Big Head Todd and the Monsters」という知らない人だった。
私は運転しないため会場には冬はスキーバスを運営している会社のチャーター・バスでRed Rocksに向かう。

向こうに見えるのはデンバー市内

向こうに見えるのはデンバー市内

そのバスは私以外は裕福そうな年配白人カップルで何となく嫌な感じがした。もしかしたら彼等好みのポップ・カントリーかも。私はアメリカのルーツ音楽は好きだけど、派手なポップ・カントリーとかは聞かないのだ。その前見た「Old Crow Medi Show」というロッキンなブルーグラス・バンドがメインのバスでは、若いクレイジーな音楽好きが騒いでいたのとは全然違う客層。オールド・クロウも白人オンリーだったけど明らかに違う。

で、「Big Head Todd and the Monsters」はもっと私が普段聞かないポップなアメリカン・ハードロックなバンドだった。スネアの音がやたらに大きく、ギターがバカテクでスペーシー。歌詞が日本語でも全然違和感なし。ハウンド・ドッグを連想してしまった。ステージのライティングも派手でやたら客席を照らして眩しい。

なるほど今どきのアメリカ人はこういうのが好きなんだな、かつての産業ロックも今や古典になったんだなとしみじみ思いました。
そしてジョン・メレンキャップ調というのか田舎ティーンの切ない青春物語と歌詞が分からなくても断言できるような「Bittet Sweet Surender」という歌詞が印象的な歌が始まると会場の白人カップルたちがたちまちベトベトと抱擁し始めたのには驚いた。

これがその曲。なかなか泣かせます。

そして帰りのバスの中はライブの興奮の余韻とは程遠い実に静かなものだった。お休みタイム。しかし車内のBGMが「ニール・ダイアモンド」の「スイート・キャロライン」に変わった途端車内はいきなり大騒ぎとなった。
いきなりの大合唱とアメリカ人のはしゃぎっぷりには唖然とするばかり。
“So good, so good” という合いの手をご婦人方がカマトト・ボイスで入れる。こういう声が出せるんだ。
この曲こんなに人気があるのか、日本に同じような歌があるかしらん。とにかく印象的なできごとだった。
この旅で一番アメリカにいることを実感した瞬間でした。

Sweet Caroline
Good times never seemed so good
I’ve been inclined
To believe they never would
Oh, no, no

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